トップページ > フジパンのものづくり > 第2章 本仕込の開発
90年代初頭、ひたすらやわらかい食パンが市場を賑わしていた頃のこと。社長(当時)舟橋正輝は考えました。「昔ながらの手作りの食パンは、炊きたてごはんのようなもっちり感があり、日本人の嗜好や、欧米人に比べて少ない唾液分泌量に合っていた。昔のように、食パンのもっちりした食感を取り戻したい。」そんな思いから本仕込の開発が始まりました。
中種製法とストレート製法の食パンの決定的な違いは水分量。水分が多く糊化(アルファ化)度の高いもっちりとした食パンを、機械で安定的に量産化するには大きな壁がありました。機械生産は生地をいためてしまう上、水分の多い食品は店頭での商品寿命が短いのです。これが、どのパンメーカーもストレート製法を敬遠していたゆえんでした。
2年余りの試行錯誤の末、ついに「本仕込」が完成。炊きたてごはんのようなもちもちした食感が特色であることから、「日本の食パン」をキャッチフレーズに、ネーミングも和風の「本仕込」にしました。今では当たり前になりましたが、食パンに和風のブランド名をつけたのはフジパンが初めて。こうして1993年、「本仕込」は関東地区を皮切りにデビューしたのです。